20f2d036.jpgこんにちは、スタッフの鋤先美紀子です。ここ数日お昼間は暖かく、とても気持ちの良いお天気ですね。
今日は、私が焦がれる本場奄美大島紬(以下、大島紬とも表現しています)について、書かせて頂きます。

私が大島紬に魅了された最初のきっかけは、和の國の「現地研修〜本場奄美大島紬」です。
天然染料で染め上げられる、濃く温かみのある見事な黒、それに何とも言えぬ艶やかさで美しい色合い。
そして、一反が出来上がるまでの各工程では、気の遠くなる程の緻密な手作業が行われていて、とにかく感動してしまいました。

研修後も、お店で大島紬に触れる度に、愛情がどんどん湧いていきます。
次のきっかけは、「九州の色彩と文化」というシンポジウム(色彩学会)です。ポスター発表のために改めて調べた内容や、当日聞きに来られた方々との会話の中で、より、大島紬への思いが高まっていきました。

このような機会に恵まれることは、本当にありがたいことです。
来週26日から始まります「大島紬と結城紬展」で、みなさまにも実際にご覧頂ければ、幸いでございます。


■本場奄美大島紬の魅力
 黒々として艶のある地風に、白い絣模様がくっきりと浮かび上がる。
 軽くて生地にシャリ感がある。
 産地の原料を使用する:糊(ふのり、イギス)、染料(テーチ木(車輪梅)、顔料(泥田)。
 全工程のほとんどが、緻密な手作業で行われる。


■特徴的な技法

1)締機(しめばた)による絣糸づくり:
 経絣と緯絣の絣括り作業を、手機で行う。
 締機には木綿糸を経に張り(上糸と下糸)、緯に絹糸を通して堅く締めながら織り上げる。
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これを絣筵(かすりむしろ。写真下)といい、1枚で10cm程織られる。
経の木綿糸が括り糸の役目となる。
絣筵のまま染色すると、締められた部分が白く残る。
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2)染色:
 テーチ木(車輪梅)染めと泥染めを繰り返し、糸は柔らかくこなされ、独特の渋い黒褐色に染め上がる。
  (1)テーチ木(車輪梅)染め3回
  (2)石灰水浸け1回の後、水洗いし、脱水
   (1)、(2)を5〜7回繰り返し、
  (3)泥染め1回の後、水洗いし、空気中で酸化させる

  (1)〜(3)を一工程とし、3〜5回繰り返す。

 テーチ木染めは、約80回(100回以上のことも)繰り返される。
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3)一元(ひともと)と呼ばれる経絣糸の配列
 一 元=「経糸」絣糸2本、地糸2本。 「横糸」絣糸2本、地糸2本。
 カタス=「経糸」絣糸1本、地糸3本。 「横糸」絣糸2本、地糸2本。

 市場に流通するほとんどがカタス。
 一元(写真下)は経絣糸が2本並ぶため、絣模様が際立つ。
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■染色回数による、色の違い(写真下)
 1.原料糸
 2.テーチ木染め 1回
 3.テーチ木染め 18回
 4.テーチ木染め 36回
 5.テーチ木染め 36回、泥染め 1回
 6.テーチ木染め 56回、泥染め 4回
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■本場奄美大島紬(泥染め)とは?
 奄美群島内に在住の組合員により、奄美群島内で生産された大島紬のこと。


■「本場奄美大島紬」と正式に言える物(定義)
 ・絹100%
 ・先染め手織り
 ・平織り
 ・締機(しめばた)で手作業により経緯絣及び緯絣を加工したもの
 ・手機(てばた)で経緯絣及び緯絣を絣合わせをして織上げたもの

※写真、資料のご提供:室町の加納株式会社