bf4ea24d.jpg下記の文章は、平成五年の夏、32歳の時に巻き紙にしてお客さまや恩師、知人にお渡しさせて頂いた「決意書」の内容です。
僕の人生は、ここから、全てが始まったと言っても過言ではありません。
お付き合いくださいませ。

 
『茨木國夫きもの宣言』

きものに命をかけます。
ほんものを目指すために、
一生きもので通します。
        ※「きもの宣言」とは、洋服は全く着ず、一生きもので通すことです。


昨今、きもの離れとか、きものを着る機会がないとか、数多くの事を耳にします。私も熊本のきもの屋の三代目として、日本を代表する民族衣装が消え去ってゆくのは、断腸の思いでございます。我々呉服業界が率先してきものを着なくては…と思いつつも何となく抵抗があり、普段には作務衣を着て、月に一、二度きものを着ているのが実情でした。

過日6月23日、32歳の誕生日をヨーロッパのパリで迎えました。小千谷ちぢみに角帯を合わせ、紗の羽織を着て、イタリア・フランスを廻りました。
日本の民族衣装に対する反響は大きく、写真を撮られるのはもちろんの事、なんとミラノではテレビコマーシャルのモデルとして出演致しました。そういった事にも増して、私が最もうれしかったのは食事や買い物などの時、きもの姿に対する接客が、つねに丁寧、かつとても親切であったという事でした。

これこそ、きものパワーと言うべきものなのでしょうか。この旅行で改めて、きものとは、世界でも一番すばらしい衣装であると確信したのです。
 そこで私は、きもの振興のため、きもの伝承家として生きぬいていこうと決意いたしました。

しかしながら、夏の暑い日や雨天の時もいつもきもの姿というのは、今もって不安がいっぱいです。また、飲みに行っても酔っぱらう事も出来ず、たえず他人の目の中、行動しなければなりません。そういったすべてのことに負けないために、洋服はすべて処分してしまいました。
本当に、男の一大決心でございます。

私には、先祖代々のきものを着る血が、流れています。
その先祖の血とともに、私は本物のきもの屋を目指し、歴史を伝承し、未来へ素晴らしい文化を伝えるために、一生きもので通します。  
私の永遠に変わる事のない「きもの姿」を、どうか応援してください。
心からのお願いでございます。

平成5年7月吉日  茨木國夫



【追記】
24時間、和服生活が始まって、19年目を迎えます。
いやな自分に戻りたくなくて、自分に逃げない為に宣言したら、今は本当に着物が好きになり、そして、人生もメチャメチャ楽しくなってきました。
本当に有難いし、自分でも自分自身の成長ぶりや今後の可能性に驚いています。


今日も開店と同時にお客様に恵まれ、そしてNPO法人きもの普及協会の出版会議も午後9時半に終えました。
出版企画書もさらに、良い感じになってきています。
また、僕個人にもアドバイスを頂き、「熊本日日新聞に自分から売り込みに行くように!」だとか、「熊本を絶対拠点として、活動してください」などもったいない声を頂いています。

やっぱり僕の一番好きな曲を一緒にお聞きください。
いつもありがとうございます。
今からこっそり、道場に出かけてきます。