和の國ブログをご覧の皆さま、こんばんは。「熊本ゆかりの染織作家展」実行委員の安達絵里子です。年末年始が視界に入ってくる時期となり、年明け早々1月3日(木)〜6日(日)まで開催する「第3回熊本ゆかりの染織作家展」まで、あとひと月となりました。

和の國ブログでは、現在『着物生活二十年の國さんが伝授する「和」で幸福になる三十三箇条』で話題沸騰中ですが、その中にも「熊本ゆかり」が記載されているのをご存知でしょうか。名著の最後を締めくくる191ページあたりです! お手元にある方はぜひご確認くださいませ。

作家の方々は、展覧まで一カ月を切ろうとしている現在、着々と作品作りに励んでいらっしゃいます。今月は岡村美和さんを訪ね、出品予定作を見せていただきました。



岡村美和さんは、型染の帯や小袱紗、和紙の熨斗袋などの作品でお馴染みです。作品を通じて、岡村さんの美意識にはなんとなく触れていた気がしておりましたが、初めて訪れたご自宅は「岡村さんワールド」ともいうべき民藝に見出された美の宝庫で、うっかり長居をしてしまいました。

玄関前には蓮の花をほっこりと描いた暖簾作品が掛かり、入ると芹沢げ陲気鵑粒┐迎えてくれます。キョロキョロ見ると、城間栄喜さんの紅型作品や小代焼、インドの織物などが飾ってあります。美術館に展示してあるようなものが、さりげなく日常空間に位置し、生活を彩る……作家の高い美意識はこうして育まれるのだと、感動するとともに、私まで幸せな気持ちになるようでした。


岡村さん帯ちょい斜め

さて、お待ちかねの作品です!
今回お見せする作品は、今年の「県美展」にも出品された染め帯です。

紬地を絞りで括って、ザクロの実の皮と矢車附子(ヤシャブシ)の実で染めた黄唐茶色の横段を構成し、そこにリズミカルに葡萄とリスを型染しています。
「葡萄にリス」は、漆器や陶磁器、染織品などに古くから見られる取り合わせです。「武道に律す」という言葉の音に通じることから、武家に好まれた題材とも伝わる古典的な文様です。それが岡村さんの手にかかると、なんともかわいらしく新鮮に映ります。

文様と色調からお勧めの季節は秋。でも古典柄なので、工夫次第で袷の季節を通して締めることができます。きものは反対色で相性がよい藍色でも、地色と同系色の茶系でも、何でも合いそうです。

ここでは帯地をお太鼓の形に作って、無地調子の黒地紬に置いてみました。岡村さんとワイワイ相談しながら、葡萄の紫色と葉の緑に呼応した配色の帯締めを選び、帯あげは桜で染めた樺茶色無地を合わせました。岡村さんの帯以外は安達の私物ですが、今回の「熊本ゆかりの染織作家展」では、これに似た熊本の桜で染めた帯あげも出品されますので、会場ではぜひ桜の帯あげもご注目くださいませ。

コーディネートをあれこれ考えるのは楽しいですね。「熊本ゆかりの染織作家展」では、お越しになった方々とコーディネートの愉しみも語り合えたら……と願っております。

岡村さんは、この帯のほか、小袱紗や人気の祝儀袋などをご出品くださいます。また夏に重宝しそうな無地染めの麻帯も考えられていて、これから染められるのだとか。がんばれー、岡村さん!



今回の「熊本ゆかりの染織作家展」では、毎日作家の方どなたかにお越しいただく予定ですが、岡村さんは1月4日にご来場予定です。洋服姿もカッコいい岡村さんですが、私がよだれをたらしそうなほどうらやましい、ステキなご自身作の帯を締めて、きもの姿でいらっしゃる予定です。普段はなかなかお会いできない染織作家の方と、ご一緒にきものの話で盛り上がりましょう!

また詳細が決まりましたら、追ってご紹介してゆきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
熊本ゆかりの染織作家展 実行委員 安達絵里子